【活動レポート】テーマ:「普通の幸せ」とは?『「居場所」のない男、「時間」がない女(水無田気流著)』



2015年10月18日 Posted in 活動レポート

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「普通の幸せ」とは?

課題図書

『「居場所」のない男、「時間」がない女(水無田気流 著)』

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幸せの形はさまざまです。そして、「普通の幸せ」は何か、という問いに正解はありません。
今回はNHKのニュース番組のコメンテーターとしても知られる社会学者、水無田気流さんの著書を扱いました。
 
「居場所」のない男
「居場所がない」男性の貧困問題は、目立ちにくいですが近年深刻化しています。
また、仕事人間に代表される「就労第一主義」は、男性だけでなく女性の働き方にも大きな影響を与えています。
 
・地域や家庭で居場所がない退職後の男性
・働き盛り世代の自殺は約8割が男性
・肩身の狭い「イクメン」
 
会場からは、「男性が育児休暇を取るのはまだまだ大変」「父親が退職したけれど家庭でうまくやっていけるのか?」というリアルな意見をいただきました。
 
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「時間」のない女
日本女性は「時間貧困」に陥っているといわれています。
様々な統計データから、いわゆる「暇な主婦」は幻想であり、家事、育児は日本の既婚女性に重い負担となっている現実が浮かび上がりました。
 
さらに、若手女性は出産リミットに追われ、晩婚化と企業での就労継続の難しさに直面しています。著者自身が行ったシミュレーションの結果、正社員として仕事で一定の成果を上げ、35歳までに子供を2人産むためには、女性が「超人化」するしかない、というのは皮肉です。
 
実際、「そこまでして働けない、産みたくない、産みたくても産めない」という女性の態度は第一子出産後の高い離職率や「社会的不妊」という現象に現れているのではないでしょうか。
 
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日本にダイバーシティーは根付くか?
マタニティ―マークを付けた妊婦への暴力事件などから、ダイバーシティーと「寛容」について参加者の皆さんと考えました。
 
「理念」と「感情」は異なるため、個人のマナー向上だけで対応できる事柄ではない、と筆者は指摘しています。
 
多くの場合、困っている人に手を差し伸べるという寛容の「理念」は理解できます。
しかし、保育園の待機児童問題のような「限られた資源の奪い合い」では、寛容という「理念」と「感情」は両立しにくいのが現状です。
長時間労働の常態化、非正規雇用や賃金格差、都市部での育児資源の確保の困難。
このような社会における「断絶」状態から、ダイバーシティーに対する理解をどのように育てていくのが今後の課題だと考えられます。
 
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シカゴ大学の山口一男教授は、「日本社会はいまだ封建社会のよう」と指摘しています。
「ワーク・ライフ・バランス」とは何か、男女の貧困や日本社会の「不寛容」という観点から改めて問い直す必要があるのではないでしょうか。
 
社会問題というシリアスなテーマではありましたが、参加者の皆さんは終始前向きでした。今回は幅広い層の参加者にお越しいただきました。男性の参加者も多く、男女の立場、考え方の違い、世代による違いについてもグループワークを通じて感じていただきました。
これまでの物事の見方を変えてみる、新しい考え方を知るための試みを今後も続けたいと考えております。
 
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参加者アンケートより抜粋
 
・はじめて読書会に参加させていただきました。結構身につまされる話も多く、現実に直面している問題もありましたが、様々なお立場の方とお話しして意見を交換できたことは、とても有意義でした。同じものを読んでも、解釈が異なることなど、肌で感じることができ、これこそ本当に今回のテーマ「ダイバーシティ」かもしれません。また是非参加させていただきます。
 
・ビジマ読書会は、普段読まないジャンルの本を読むきっかけとなり、とても勉強になりました。初対面の方と、自分の伝えたいことを言葉にする訓練になり、ありがたいです。
 
・今回のテーマは現代の社会問題と自身および周囲について考える機会となった。本の内容は特徴のある事例が多く取り上げられており、一人で読んでいると暗澹とした気分になったが、勉強会で自分の意見を話し、他の人の考えを聞くことで、マイナスだけではないとらえ方による希望もあるように感じた。
 
・はじめて読書会に参加しました。一冊の本から、それぞれ参加している人の実体験に基づいた話が聞けたことはとてもためになりました。
 
・男性・女性それぞれの働き方について関心があり、参加しました。いろいろな方の意見も伺うことができ、一人で本を読むだけでは気づかなかった視点についても知ることができました。
 
・普段わざわざ考えようとしない、考えたくない将来のことに関して、たくさんの方々の実例をふまえて話ができて有意義でした。また、レビューをしていただいたおかげでスムーズに話に入っていけました。
 
・グループの中でのお話から、現代の問題やライフスタイルについて考えるきっかけになりました。まだ結婚はしていないけれど、今後の生活や仕事で、今回考えたこと、聞いたことを生かすことができたらと思います、ありがとうございました。
 
・途中からの参加でしたが、少人数でシェアリングの時間をたっぷりとっていただけたのでとても楽しめました。
 
・男性と女性では立場や意見が違い、それを聞けて面白かった。一人で本を読むより、いろいろな見方、考え方があり、すごく勉強になった、読書会は初めて参加したが、参加してみてよかった。
 
・男性の「関係貧困」、女性の「時間貧困」、それぞれ直面する問題は違いますが、どちらも根本的にはつながっていると感じました。まずは多くの人がこういった問題があるという認識を持つことが大切であると感じました。いろいろな方の考えも聞けて、とても気づきのある有意義な時間を過ごせました。
 
・今回のテーマはとても重いですね。まだまだ議論したいところです。将来の日本をしっかり見据えて、価値観を再構築する必要があります、私自身はまだまだ仕事をしますが、家事もするようにします。ありがとうございました。
 
 

イベント詳細

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「普通の幸せ」とは?

課題図書

『「居場所」のない男、「時間」がない女(水無田気流 著)』

開催日時

2015年10月18日(日) 13:00 ~ 15:00



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