『20%ドクトリン サイドプロジェクトで革新的ビジネスを生みだす法(ライアン・テイト著)』書評・感想

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Googleで有名になった限られた20%のリソースでビジネスを生み出す、20%ドクトリンについての著書。

ケーススタディ中心で、体系的には論じられていませんが、IT業界、教育、メディア、飲食店といったように、ITに限らない複数ジャンルでのケースが掲載されていて参考になります。

ここで掲載されている事例を列挙すると、

・Gmail
・GoogleReader
・フリッカー
・Twitter
・Yahooハックデイ
・ブロンクスアカデミー(ニューヨークの貧困地域で90%の大学進学率を達成(!)した学校)
・オフ・ザ・バス(メディア、ハフィントン・ポストの市民プロジェクト)
・アドホック(ミシュラン三ツ星シェフが作った、家庭料理を提供するにユークなレストラン)

 

全体的に、IT関連の事例が多いのはしかたがないのですが、それ以外のジャンルでも20%プロジェクトのケースが詳しく書かれていて、それだけでも価値があります。
また、私たちが誰でも知っているTwitterやフリッカーといったサービスが、もともとはメインのビジネスが上手くいかなくてはじめたサイドビジネスだった経緯などが詳しく描写されていて、一体どうやって方向転換を測ったかなど、WEBサービスの成功談としても大変興味深い内容になっています。

本書の最後に20%ドクトリンを利用したサイドプロジェクトで成功するための、ポイントがまとまっています。
ここだけでも、ざっと目を通しておくことをおすすめします。項目だけまとめておきます。

初期段階-アイデンティティの構築

・自分が必要としているものをつくる
・意図的に人と違うことをする。反抗的なぐらいがいい
・感情的に人々と結びつく
・シンプルなものをすばやく形にする
・資金不足で、必死でいられるところこそ幸せな場所

中間段階-サポートを掴み取る

・バージョンアップを繰り返す
・何を評価するかを決め、ベンチマークとなる目標を定める
・飢餓感を持つ
・自信を持つ
・外部に目を向ける
・たとえ方向転換する必要があったとしても進み続ける。

最終段階-成長と決意

・後援者を見つけプロジェクトの味方にする
・すべての人に恩恵を与える投資だと強調する
・逆の発想をして既存のシステムで間に合わせる
・母船とのコミュニケーションは欠かさない
 

一番最初の「自分が必要としているものをつくる」は印象的。
ちょっとした空き時間と限られた環境でやるからこそ、継続と達成のためには、この原点が強いのでしょう。

限られた時間と、条件だからこそ生み出せるビジネス。それがなぜ革新的になるのか。ここには、イノベーションの本質も含まれていると感じました。
仕事が忙しいから・・・時間がないから・・・お金がないから・・・という理由で自分が挑戦してみたいこと、クリエイティブな挑戦をなおざりにしている方は、読んでみましょう。

突破のきっかけになるかもしれません。